GNSS測量とは
GNSSとは、米国国防総省により管理・運営されている24個の軍事衛星から発信された電波を受信し、電波発信の時刻と受信機に電波が到着した時刻との時間差や搬送波を解析し、観測している位置を決定できるシステムの全体を指すものである。
GNSS連続観測システムは、国土交通省国土地理院が地殻変動の様相を日本全土で把握するとともに、GNSSを利用した高精度測地網を全国域に構築することを目的として、既に運営されているGNSS連続観測施設と全国GNSS連続観測システムを統合し拡張する地殻変動監視の大規模なネットワーク・システムである。全国平均30間隔に610か所の観測点(電子基準点)が設置された高密度のGNSS固定連続観測網は世界最大規模であり、その成果に大きな期待が寄せられている。
GNSS測量のメリット
近年、グローバル化という言葉もよく耳にします。統一の基準とでもいうのでしょうか。測量でも私たちの身近にグローバル化というものになりつつあります。測量の位置関係は緯度・経度のほか通常XYまたはXYZの座標値で表されています。その座標値を世界統一のものとして日本でも使用し始めています。都市部やその近郊においては「街区基準点」というものが設置されています。
全国各地には「基本三角点等の公共基準点」というものも設置されています。
われわれ土地家屋調査士が法務局に提出する測量図では近傍に街区基準点や基本三角点等の公共基準点がある場合はその基準点の成果に基づき測量をすることが原則義務づけられています。
しかし、都市部やその近郊においては街区基準点や基本三角点等の公共基準点が何らかの原因で使用出来ない時や、それらが近傍に無い地域では、「任意の座標」により測量した成果をもって登記してもよい事になっています。数年前までは、任意の座標により測量することがほとんどでした。正直、基準点を使用して測量することはある程度の知識も必要ですが手間暇がかなりかかるのが実情です。
やはり、世界測地系にするメリットとして一番に挙げられるのは、災害対策なのではないでしょうか。近年に多い大地震の自然災害では町の建物が倒壊し道路も寸断されてしまった。そんな悲惨な映像も目にしました。そんな状況の中で、自分の財産である境界がどこにあるかなんて位置を特定する事は難しいと思います。
そんな場合、もし自分の境界の座標が世界測地系だったならば境界の復元は可能です!500円玉くらいの誤差の中に収まってくる精度で境界の復元ができます。任意座標での測量で測量をしていたならばなかなか復元できないですよ!そのような事情もあり、当事務所では世界測地系の座標値として使用できるように「ネットワーク型RTK-GNSS」を導入し、世界測地系に対応した境界確定測量や登記基準点の設置も行っています。